ゑんぷの空虚

支離が滅裂

モハ210-5011

非常に無機質でありながら、ノスタルジックで情緒的な雰囲気を醸し出している。動く鉄の塊以上の何かがある。それもこの速さ(遅さ)にその所以があるんだろうな。流れ行く景色は鮮やか過ぎず、かと言ってモノクロ過ぎず、私には丁度良い。色んな雰囲気を持っていてずるい。こわい感じもするし未来が見えるような過去が見えるような。私は身体を全然動かさずしてその位置はどんどん変わりゆく。空間は隔てられているから実感は薄くて、これもよく考えたら妙な体験だ。なんというか窓から映像を見せられているようだ。ただ、移動というのは本当に大変だ。自分の好きなものは全部自分の近くにあればいいのに。距離はもどかしい。離れていても文字のやりとりくらいは簡単に出来るような時代だけど、距離は縮まる事なく私たちの間に横たわっている。ジタバタしたって仕方のない事だと思います。だから好きな人と同じ空間を共有することは価値のあることだ。時間と空間の座標を合わせたい。願望。