ゑんぷの空虚

支離が滅裂

7月7日

七夕の願い事が叶ったことがある。大それた願いではなく、それは14才らしい「好きな人と付き合えますように」というものだった。その晩晴れて好きな人と付き合った。でも中学生の付き合いは子どもの恋愛で、わりとすぐにフラれてしまった。

七夕に限らず、この日になると思い出す人、この季節になると思い出す人、その場所へ行くと思い出す人がいる。記憶は生活に落ちているなんてことないことをトリガーに頭の中にぶわっと充満する。不思議な呪いだ。あるはずの無い風景が眼前に浮かび、朧げな声が聞こえる。たった1人、一瞬だけタイムスリップしてしまう。それでも人は強くて、みんな過去なんて無かったみたいに、いつか思い出になる今を生きる。だからいいんだ、