ゑんぷの空虚

支離が滅裂

何も言わない

言葉の要らない空間に勝るものは無いが、あえて言葉にすることを選び続けた私は、どうも言葉を馬鹿にはできない。やり場のない気持ちや、例えようのない感情は、形が無いから不安になる。言葉にすれば、たちまち輪郭を持ち、私たちは安心するだろう。ただ、安い言葉で片付けたくない様な、もう時間や空気そのまま切り取ってしまいたい様な瞬間が、人生には訪れることがある。それは匂いみたいなもので、形や境界は無くて、ふわっと香っては頭の中で勝手に何かに結び付く。忘れることがこわい私は、いろんな手段で思い出を呼ぶファクターを手作りしていく。沈黙が言葉よりも意味を持つ瞬間は少なくないね。