ゑんぷの空虚

支離が滅裂

短篇集I

自由になるために色んなものを手放してきて、きっと今私はかつて望んだジユウを手に入れて、あれ、どうして不安になるの?頭の中の怖い大人が煩い。本当は、眠れない夜に眠れないと焦る必要も無いのに、世の中の普通が邪魔をする。シャカイはお節介だから嫌いだ。頼んでもないのに干渉してくる。私のリズムは自分で守らなくちゃね。

過去の人に自分の影を探してしまうのはどうして?結局誰にも嫌われたくないから?それともあの頃の私を無かったことにしたくないから?ちがうかな。──そうだね、私の分身があなたの中で生きていればいいと思う。そうすれば私が死んでも私は死なないから。きっとこれからも私は好きな人に静かに呪いをかけ続ける。

あのうたがこわい。私が弱虫だから。あなたが天使だから。私が汚いから。あなたがきれいだから。私はあなたに近づきたいのに、触れればきっと壊してしまう。最初からわかっていたはず、本当の私を知ったらきっとあなたは私を嫌いになる。それが明らかになるのがこわいから、都合よく自分を切り取った。もう収拾がつかない程バラバラになった自分。どうしようもないけど、本音を言えば、すべて拾い集めて許してほしい。